花壇の横のレンガ敷きにスズメが落ちていた。
目の前にはガラス張りのビル。
目立った外傷は見られなかったけれど、ロケーション的にガラス窓に突っ込んで死んじゃったんだろうなあと思われる。
そのまま放置も可哀想な気がしたので花壇の路地から見えにくい影にちょっと穴を掘って埋めてやった。
スズメは暖かくて柔らかかった。
目も黒かったし、アリが少し集っている位だったから落鳥してそれ程時間は経っていなかったのかも知れない。
その様子を見ていた保険外交員のお姉さんが「どうぞ」とティッシュだけくれた。
○ 放っておいても誰かが生ゴミとして片付けたかも知れない。
アリが食べたりウジ虫が食べたりと自然に帰ったかもしれない。
つまり私が土に埋めることにそう意義は無いという気もしないでもなかったが…ゴミとして処分されるのは論外として、どうせ自然に帰るなら静かな土の中の方が良かろうという自己満足だけがそこにはあった。
まあそんな事を言い始めると、弔いというのは対象が行きずりの獣であろうが大切な人であろうが、すべからく弔う側の為の行為なのかも知れないけれど。